ミャンマー総合研究所
調査・研究及び各種委託業務を受注する機関です。このたび「ミャンマー総合研究所(MEMI)」の活動を本格的に再開し、今後、調査事業・報告を充実させ皆様にもご提供していく所存です。
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2025 06.27ニュース解説
岐路に立つミャンマー経済 ──「早期選挙こそが回復の条件」
修復を待つ首都ネピドーの隣町、ピンマナの市街地 ミャンマー経済はいま、深刻な停滞局面にある。2021年以降の政変による政治の不安定化を契機に、武力衝突が拡大し、経済活動が大きく制約されてきた。世界銀行とアジア開発銀行(ADB)が2025年春に発表した最新の報告書は、現在の厳しい現実を明らかにする一方で、政治的安定が回復すれば中期的な成長の可能性も十分にあるとの見通しを示している。
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2025 06.16ニュース解説
総選挙を半年後に控えたミャンマー
──揺れる政治と国際社会の視線の中で制度内民主主義の芽は育つか ミャンマーでは2025年12月から26年1月にかけて、国家統治評議会(SAC)主導のもとで総選挙の実施が予定されている。軍による政権掌握から4年が経過し、今回の選挙は、混乱を収束させる「制度的出口」として注目されている。現在、政党登録の整備、選挙制度の見直し、電子投票機の導入など、制度と技術の両面で準備が本格化している(Glo
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2025 06.14ニュース解説
ミッソンダム再始動? ミャンマーが中国に接近、日本の影響力は後退
ミャンマー政府が、長らく凍結していた巨大ダム建設の再開に動き出そうとしている。背景には長らく続くミャンマー国内の電力不足解消への打開策としてだけでなく、総選挙の実施を見据え、中国からの支援に頼らざるを得ないミャンマー政府の苦しい事情がある。それは同時にわが国の対ミャンマー外交にも新たな課題を提示している。(ミャンマー総合研究所・宮野弘之) ミャンマー国家統治評議会(SAC)のミン・アウン
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2025 05.22ニュース解説
憲法で国家防衛・安全保障評議会(NDSC)に選挙最終決定権
ミャンマーの国家統治評議会(SAC)は、5月19日にネピドーで開催された会議で、2008年憲法に基づき、国家防衛・安全保障評議会(NDSC)が選挙実施の最終決定権を持つことを確認した。SAC議長であり首相のミン・アウン・フライン上級大将は、多党制民主主義への移行を目指す方針を強調し、選挙は全国規模で実施されるべきであると述べた 。 NDSCは、ミャンマーにおける選挙実施の最終決定権を持っ
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2025 05.10ニュース解説
バングラデシュの対ミャンマー政策の危うさ── アラカン支援、二重外交、地域秩序の綱渡り
2025年春、バングラデシュの軍事情報機関DGFI(Directorate General of Forces Intelligence)の長官ジャハンギル・アラム少将がワシントンD.C.を訪れ、米中央情報局(CIA)幹部に対し、ミャンマー・ラカイン州における軍事作戦に関する計画を報告したと報じられた(出典:Northeast News India, 2025年4月20日付)。これは単なる情報提